皆さんこんにちは、助産師たまです☆
今日は妊娠中に注意したい風しんウイルスについてまとめていきます。
風しんとは?
風しんウイルスに感染することで起きる、ウイルス性の感染症です。
感染してから2~3週間潜伏期間があり、発疹や発熱、リンパ節の腫れや関節痛などの症状が出ます。
症状は比較的軽いことも多く、全く症状がないこともあります。
妊娠中にかかるとどうなる?
妊娠中に風しんにかかると、胎盤を通しておなかの中の赤ちゃんも風しんウイルスにかかってしまうことがあります。
おなかの赤ちゃんが風しんにかかると先天異常をきたす場合があり、これを『先天性風しん症候群』と呼んでいます。
<主な症状>
・白内障
・心奇形(動脈管化依存症など)
・難聴
重症化しやすい週数がある?
妊娠12週までは赤ちゃんの体のもとが作られる非常に大切な時期です。この時期にお母さんが風疹にかかると、80~90%の確率で胎児に感染するといわれています。
またそのうちの90%以上が、先ほど述べた先天性風しん症候群の症状が出るといわれています。
妊娠12週を過ぎてから18週までの間は、難聴だけを生じることが多いとされています。
その後妊娠18週を過ぎてから風しんにかかると、胎児への感染率は40%に低下します。先天性風しん症候群を発症する確率もグッと下がりますが、難聴になることは多いとされています。
妊娠中に治療できる?
答えはNOです。
残念ながら妊娠中に風しんに初めてかかってしまった場合の赤ちゃんへの感染や先天性風しん症候群を防ぐ治療法は確立していません。
また感染したあとの治療も、有効なものは確立されていません。
つまり妊娠中に感染してお母さんに症状が出ても、熱や関節痛に対しては解熱剤などで対応することしかできず、赤ちゃんへの感染を防ぐ方法も今のところありません。
予防するためにはどうしたらいいの?
まずは風しんの抗体を持っているかを妊娠前にチェックして、風しんワクチンを打っておくことが大切です。
風しんワクチンは生ワクチンと呼ばれるワクチンで、妊娠中には接種することができません。
また妊娠前に接種した場合は、2か月は妊娠を控える必要があります。
<もし抗体がない場合>
・人ごみや子供の多い場所を避けて感染しないよう注意する
・同居している家族も人ごみや子供の多い場所を避け、感染しないよう注意する
・同居家族へのワクチン接種をすすめる
といった対策が挙げられます。
また産後に風しんワクチンを接種するようオススメしています。
妊娠前から気を付けていたい風しんですが、血液検査をしないと抗体を持っているかわからないのでなかなか知る機会がないですよね。
妊娠初期の血液検査では必ず抗体を調べますので、抗体が低いと分かった方は感染予防に努めて、ご家族にも協力してもらうようにしましょう!
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
↓コウノドリで「先天性風しん症候群」を扱っている巻です。
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