帝王切開の麻酔について

帝王切開

みなさんこんにちは、助産師たまです。

今日は帝王切開の麻酔について書いていきたいと思います。

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帝王切開の麻酔

一般的に帝王切開の麻酔は腰から下の「部分麻酔(下半身麻酔)」で行われます。

まずは手術台の上に横向きに寝て、エビのように丸まった姿勢をとります。

腰椎麻酔(部分麻酔)

腰のあたりに痛み止めの注射をしたあと、脊髄を覆う膜の下に麻酔薬を入れます。こちらの効果はだいたい2時間程度と言われていますが、特に合併症のない帝王切開の場合には手術時間は1時間半~2時間程度ですのでこの腰椎麻酔が効いているうちに終わることが多いです。(途中で出血が多かったり胎盤が剥がれなかったりする場合には予定時間より長くかかることもあります。)

この腰椎麻酔のみの病院もあれば、腰椎麻酔に硬膜外麻酔を併用する病院もあります。

硬膜外麻酔(部分麻酔)

こちらも腰から入れる麻酔で、こちらは背中に管を通してそこから持続的に麻酔薬を流していくことになります。産後1~2日目まで入れたままにしておくことで、産後の歩行の際にも痛み止めとして使いながら動くことができます。

この麻酔薬は「1時間〇〇cc流れるように」という設定ができるようになっており、持続的に体の中に麻酔薬(痛み止め)が入る仕組みになっています。また病院によっては自分でボタンを押せるタイプの硬膜外麻酔を採用しており、その場合は痛みが出てきたときに自分でボタンを押すと痛み止めを早送りすることができます。

全身麻酔

超緊急(グレードA)で帝王切開になった場合や、一般的な経過の帝王切開の予定が出血が多くなったりお母さんの体に何らかの大きなトラブルがあった際に使われる麻酔です。

点滴から麻酔薬を流し、お母さんは眠ることになります。深く眠ると呼吸が弱くなるので、気管挿管といって呼吸を補助するためのチューブを口から入れてもらい手術が終わり次第抜くことになります。

超緊急(グレードA)の帝王切開は、「今すぐ帝王切開にしてお産にしないと母や子に大きな問題が起きる可能性がある」場合に選択されます。病院にもよりますが、「超緊急帝王切開にします」と先生が宣言してからおおむね10分以内での赤ちゃん誕生を目指します。

先ほど書いた腰からの麻酔は入れるのに5~10分ほど、体形や背骨の形によってはもう少し時間がかかる場合もありますが、全身麻酔は点滴の針からお薬を流すのですぐに麻酔をかけることができます。

麻酔の合併症

病院で働いていて腰椎麻酔硬膜外麻酔で起きるもので最も辛いと患者さんが訴えられるのは「頭痛」です。

これは背中に麻酔を入れるために針を刺したり管を入れたところから脊髄液が漏れることで起きるとされており、術後5日以内で起こります。

起き上がったときに痛みが強くなり、横になると良くなる というのが特徴です。

水分摂取をしっかりすること、思うように取れない場合には点滴で水分を投与することもあります。

またカフェインのお薬を飲むことで症状が軽快することもありますので、処方される先生もいます。

それでもまったく起き上がれず日常生活に支障が出る場合には、穴の開いた場所を自分の血液でふさぐ「ブラッドパッチ」という方法が取られることもあります。

助産師たま
助産師たま

私が全身麻酔の合併症で、術後につらかったのは「のどの違和感」でした。

麻酔中にしてもらっている気管挿管で、のどがイガイガするような違和感を数日感じました。

産後数日はおなかに圧がかかるような咳、くしゃみ、笑うなどでおなかの傷や後陣痛が痛かったのですが、こののどの違和感を解消するために咳ばらいをしたくてもできないのがつらかったです。のど飴をなめたりして数日で楽になりました!

私は超緊急帝王切開だったので全身麻酔だったのですが、気づいたら眠っていて起こされたときにはすべて終わっていました。術後は傷も後陣痛も痛かったのですが、痛み止めの使い方にもコツがあるのでまたの機会に書いていこうと思います。

↓帝王切開後の傷(ケロイド予防)に効果があるおすすめのテープです!(私も使ってます☆)

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