こんにちは、助産師たまです☆
今日は梅毒のこと、妊娠との関係についてまとめていきます。
梅毒って?
梅毒とは梅毒トレポネーマという細菌に感染することでおきる病気で、主に性行為によって粘膜や傷口から病原菌が入ることで感染します。
はじめは感染が起きた部位にしこりができたり、ただれたり、潰瘍ができたり、股の付け根が腫れることもあります。
感染から3か月を過ぎると背中や腕などにバラ疹と呼ばれる湿疹ができることもあります。
抗菌薬を投与することで治療できますが、長年にわたり放置していると失明や麻痺につながってしまう恐れがある病気です。
早期に適切な治療を受けることができれば、抗菌薬の治療で完治が可能です。
妊娠とどう関係しているの?
お母さんが梅毒に感染することで、流産や早産につながったり、おなかの中で赤ちゃんが亡くなってしまったり、誕生後に赤ちゃんが亡くなってしまうことがあり注意が必要です。
先ほど主な感染経路は性行為と書きましたが、お母さんが梅毒だと胎盤を通しておなかの中の赤ちゃんにも感染してしまいます。
胎盤が完成するのが妊娠15~16週頃なので、妊娠13週まではお腹の赤ちゃんへの感染率は低いと言われています。
梅毒は治療への反応が良いため、妊娠初期(基本的には妊娠12週まで)の採血で梅毒の有無を確認し、陽性であれば速やかに治療を開始します。
母親が治療を受けていなければ、おなかの赤ちゃんの40%は亡くなってしまうといわれており、また適切な治療をしても14%は母子感染してしまうというデータも出ています。
もしおなかの赤ちゃんが感染したら?
胎盤を通して赤ちゃんが梅毒に感染すると、『先天性梅毒』といって様々な症状が現れます。
これらの症状は生後数週~数か月経って発症します。
先天性梅毒の赤ちゃんは、早産になったり週数のわりに体重が小さく生まれることが多いです。
<先天性梅毒を疑う所見>
・水頭症
・難聴
・黄疸
・貧血
・点状出血
・肝脾腫
<先天性梅毒の赤ちゃんに特徴的な所見>
・老人様顔貌
・鼻炎
・粘膜斑
・皮疹
・Parrot仮性麻痺(パローかせいまひと読みます。骨軟骨炎のために痛みがあり手足を動かさないことで麻痺に見えることです。)
・骨軟骨炎
こういった特徴が生後数週間後~小学校にかけて徐々に出てきます。全身のけいれんや発育障害となる場合もあります。
どうやって防ぐ?
梅毒など性行為で感染する病気を防ぐためにはコンドームを正しく装着することが重要です。
妊娠前には風しんの検査をして抗体がなければワクチンを打ちましょうとよく言われますが、梅毒も妊娠前に治療しておけると安心です。
また妊娠中の性行為がある場合には、必ずコンドームを装着するようにしましょう。
(妊娠中の性行為についてはコチラの記事も参照ください)
性感染症は男女どちらかが治療しても、どちらかが完治していなければ繰り返してしまいます。パートナーも検査をすることが大切です。
細菌では保健所にて無料で実施されているHIV検査と一緒に梅毒も検査できるようになりました。それだけ梅毒の感染者が急増しているということです。
住所やお名前を明かさなくても、無料で検査することができます。気になる症状があるときには検査を受けて、早期に適切な治療を受けることがパートナーや赤ちゃんを守ることにつながります。
妊娠中に股のしこりなど気になる症状がある場合には速やかに受診している産科にご相談くださいね。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
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