みなさんこんにちは、助産師たまです。
私の息子が診断された「呼吸窮迫症候群」(早産児呼吸編参照)について書いていきます。
お腹の赤ちゃんは呼吸してない?!
おなかの中にいる赤ちゃんは、胎盤とへその緒を通して酸素をもらっていますので肺を使った呼吸はしていません。呼吸様運動という呼吸のような動きで、生まれた後の呼吸の練習はしています。
おぎゃー!と生まれたあとは、肺を使って自分で呼吸しなければなりません。
生まれて肺を使い始めるときに、肺胞という袋を満たしている肺水が空気に置き換わって肺胞が膨らみ、肺での呼吸がはじまります。
ここで肺を膨らませるために「肺サーファクタント」という物質が必要になります。
(サーファクタントについては肺の日の記事参照)
サーファクタントが足りないために肺が膨らみにくく、呼吸が苦しくなってしまう病気のことを「呼吸窮迫症候群」といいます。
どれくらいの確率で起きる?
早く生まれるほど肺サーファクタントの産生が少ないためなりやすいです。
また生まれた時の体重が1500g未満の場合には35~40%がなるといわれています。
治療法はあるの?
肺サーファクタントが足りなくて肺が膨らまないことが原因で起きるので、赤ちゃんの気管の中に管を入れる挿管をして、人工呼吸器を使って呼吸を助けます。またサーファクテンというお薬を使って肺サーファクタントを補充してあげます。
肺サーファクタントが足りない状態で生まれても、生後3日くらい経つと自分でサーファクタントを作れるようになることがほとんどなので、それを待つ間サーファクテンとういお薬で補充します。
呼吸窮迫症候群が改善して赤ちゃんがしっかり呼吸できるようになると人工呼吸器を外すことができますが、外れる時期は赤ちゃんによって様々です。
30週生まれの我が息子は、緊急帝王切開後に挿管してもらいサーファクテンを投与してもらいました。
その後翌日には人工呼吸器を外し、鼻からの呼吸サポートの機械になりました。
サーファクタントのお薬がなかった時代、気胸や頭蓋内出血を併発して予後が良くないものでしたが、お薬を使えるようになってからは治療や予防ができる病気になりました。
医学の進歩はありがたいですね!!
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