自己血貯血の流れ

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皆さんこんにちは、助産師たまです。

今回は自己血貯血の実際の流れについてまとめていきます。

自己血貯血をとる理由については前回の記事を参照してくださいね♪

自己血貯血なんでとるの? | 助産師たま (josan-tama.com)

自己血貯血の流れ

①採血→②CTGモニター装着→③針を刺して血液を採取する→④鉄剤の注射をする→⑤水分の点滴を流す→⑥赤ちゃんが元気でおなかが張っていないことを確認してモニターをはずす→終了 となります。

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①採血

まずは貧血がないか、感染状態がないかを確認するために採血をします。自己血貯血は血液を300mlを目安に抜きますので、どうしてもその後貧血になってしまいます。なので採取する段階で貧血があると、その日の採取はできないことになります。

採取する血液は使用するまで清潔に保管されますが、菌血症といって血液中に細菌が存在する可能性がある場合には清潔に保管できない=安全に使用できないので、CRPという感染の数値が高い場合にもその日の採取は見合わせることになります。

②CTGモニター装着

赤ちゃんの心音おなかの張りを見るモニターです。赤ちゃんが元気かどうかと、おなかの張りを確認します。これは自己血貯血中ずっと装着し、途中で赤ちゃんが苦しくなっていないか、おなかが張っていないかを確認しながら採取します。

貯血で300ml程度の血液を一気に抜くため、胎盤への血流が一時的に少なくなることで赤ちゃんに届く酸素が不足して赤ちゃんが苦しくなってしまうこともあります。

またお母さんが貯血中、血管迷走神経反射を起こすことがあります。

これは採血や検査などで起こす方もいますが、針を刺されたり「今から針を刺される」とドキドキしたときに、迷走神経という神経が刺激されて脈が遅くなり、末梢血管の緊張がゆるむことで血圧が低下し気分が悪くなることをいいます。この場合お母さんの脈が遅くなっています。お母さんの脈が遅くなると、赤ちゃんに届く酸素が減ってしまい赤ちゃんも苦しくなってしまうことがあります。

この場合にはお母さんに酸素を吸入して、お母さんの体内の酸素を増やすことで赤ちゃんにも酸素を届けてあげます。

③血液を採取する

針を刺して血液を採取します。だいたい10~15分くらいで採取は終わります。

血流がゆっくりになったときには手を握ったり開いたりするなどして血の流れを保てるようにします。

目標のmlまでの採取を目指します。途中で出なくなったりしてしまうこともあり、その場合には取れたところまでで終了となりその分は使用できる時と残念ながら使用できない時もあります。

④鉄剤の注射をする

鉄剤の注射をします。新たに針を刺すのではなく、血液を採取するのに刺した針をそのまま使います。

⑤水分の点滴

血液を300ml程度採取しているので、水分不足になってしまいます。脱水を防ぐために水分を点滴します。

⑥CTGモニターの評価

自己血貯血開始前から装着しているモニターを評価して、赤ちゃんが元気であることおなかの張りが増えていないことを確認して終了になります。

以上が自己血貯血の実際の流れです。

しっかりと量をとるために普段の採血よりは太い針を刺しますので針が苦手な方は見ない方が安心かもしれません。

多くの血液を採取しているので、実施後は普段以上に水分をこまめにとることを意識してくださいね!

また採取後に時間が経ってから貧血症状が起きることがあるので、運転は控えてください。

立ちくらみがしたりふらふらすることもありますので、そういった時にはすぐにしゃがんだり座るようにしましょう。

自己血採血、太い針、300mlと聞くとドキドキしてしまうと思いますが、このような流れで進んでいきますので取る予定の方は参考にしてみてください☆

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